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 明けましておめでとうございます。
 元日から映画を3本みてきました。そのなかの「ゼロ・グラビティ」(アルフォンソ・キュアロン)にいたく感動しましたのでここに感想を残そうかと。

 ネタバレがあるので気を付けてください。

 僕は生まれて初めて、映画で涙を流しました。
 まず宇宙の壮大さに感動します。目の前に宇宙が広がります。間もなく宇宙での漂流が始まるのですが1つリスクを回避すると息つく暇なく別のリスクが襲いかかります。安っぽい言葉かもしれませんがまさにハラハラドキドキ。3D映像によるデブリの飛び出しに僕のまぶたもバッチリ反射しました。パチクリパチクリしていると自然と緊張してしまいます。もう完全に世界観に取り込まれました。あとは主人公と一緒に宇宙遭難です。
 しかしそれだけならただのアトラクションですよ、ディズニーシーのストームライダーみたいな。この映画の真価はモチーフ(宇宙)に見合う壮大なテーマにあります。「誕生」です。誰もが経験しているけど誰もが忘れてしまった感覚を再び体験させてくれます。数々のリスクをかわして地球に戻り、息をするために川の水の中から這い上がってMother earthの温もりを感じつつ、ふらふらしながら立ち上がって、自分の足でしっかり大地を踏みしめる。動物ドキュメンタリーで見るような出産シーンそのまんまでした。
 また、それまでの過程で沢山の命が失われているんです。マット、シャリフ、スペースシャトルのクルーたち。人間の出産においても精子は1度の射精のうちに約1~4億個、卵子は一生で約400~500個作られ、受精卵の着床の確率は20%程度、さらに15%ほどは流産してしまうそうです。ありきたりな言葉ですけど人が一人生まれるのって奇跡なんですよね。数々のリスクをかき分け、将来あり得たかもしれない命を置き去りにして今の僕らはあるんだなと、考えてしまいました。またそうして生まれ得ても、ライアンの娘のようにあっさり死んでしまうこともあるのです。
 ライアンが大気圏に突入するとき、そうした膨大な命の可能性を、確かなリアリティをもって感じさせられました。宇宙で遭難なんて途方もない物語のようですけど、実は誰もが経験していたことなんですね。気が付けば涙がボロボロ……。
 正直、あのシーンで生きて地球に帰るか、そこで死ぬかはどうでもよくなっていました。というのもあそこで死んでいたらそれはそれで生まれ得ることのできなかった命の物語として完成できたと思うからです。でも、生きましたね。生まれましたね。ライアンが大地に立ったとき、胸の奥で燃えたぎるような生きる喜びを感じました。生きる喜び…やっぱり言葉にするとちゃちなので、実際に映画館で体感してほしいです。
 ちなみにこの映画をみていると慣性の法則が非常に憎たらしくなります。それに抗うために主人公ライアンは必至に手を伸ばしていろんなものをつかもうとします。つかめなかったもの。最後につかんだもの。注目のポイントですね。
 僕らの生きているうちは庶民に宇宙旅行はおそらく無理でしょうし、二度目の誕生なんて言ったら絶対に無理です。そんな体験を疑似体験できるチャンスはそうあるものではないので是非映画館に足を運んでみてはいかがでしょうか。新年の1本目に!


 さて、2014年は僕にとって節目になるような年にしようと決意していたので、それも相まって感情移入しすぎてしまったのかもしれませんね。ちょうどよく生まれ変わるチャンスをいただいたような気分です。今年も張り切っていきますのでよろしくお願いします。

もつ



 今日見た他の2本、Twitterの方に投稿しようと思っていたのですが思いのほか長くなったのでこちらに載せます。


劇場版 HUNTER×HUNTER―The LAST MISSION―」(川口敬一郎)

 正直、この映画で何をしたかったのかわかりませんでした。ただお金を稼ぎたかったにしてもスマートじゃない。もうちょっとやりようがあるでしょう。前作で散々言われたのに直そうという努力すら感じられない。ただ一応つまらないとまではいかないくらいなので今後頑張ってほしいものです。


永遠の0」(山崎 貴)

 よかったです。テーマは明快ですし説得力もありました。ただ終盤、事の経緯がすべてわかってからの恋愛っぽい云々はぐだったかと。好みの問題とも思いますが。VFXが進化していたのにも驚きました。ここら辺はさすが山崎監督ですね。あとスタッフロールで米軍側の監督補にマイケル・アリアス(鉄コン筋クリートとか)の名前があって驚きました。そういえばもともとCGクリエイターでしたっけ……。しかし僕は戦時ものをみると『とある飛空士への追憶』(犬村小六,小学館)、『とある飛空士への夜想曲』(同)と比べてしまうんですよ。おもしろさという点ではなかなか敵う作品はありません。と言ってもこの2作、この地球の物語じゃなくてファンタジーっぽくもあるフィクションなのです。しかし太平洋戦争をもとに戦争考証をしていてかなりリアリティのあるフィクションです(僕が戦争に詳しくなく異質なものとしてリアルっぽく受け入れてるだけかもしれないが)。夜想曲の方は特攻がモチーフの1つになっていますし、どちらも成らない恋愛が描かれているので心に来るものがありますよ。大好きな小説です。追憶の方は2011年にアニメ映画化されていて出来もまあまあですが小説が圧倒的なので是非小説を!ラノベだからと侮ることなかれ!おススメです!
2014/01/02(木) 00:12 もつ煮込み PERMALINK COM(0)
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