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こんにちは、もつです。

予約で満席でしたけどキャンセル待ちしてど真ん中で観ました。

「君の名は。」(新海誠)

いやぁ! よかった! おもしろかったよ! おもしろかったけど! けど!! けど!!!

以下ネタバレ有〼

情報入れずに映画を観るが吉

というか観てないと読んでもわかりません。

ちなみに「秒速5センチメートル」のネタバレもあります。

僕が中学生のときに惚れた新海さんはもういなかった。

ストーカー感溢れる言葉になりましたが、率直な感想です。

僕が新海誠監督作品を初めて観たのは中学生のときで「秒速5センチメートル」でした。
あれは衝撃でしたね。
中学生といえば現実を理解し始めてひねくれてくる頃かと思いますが、そこに「秒速5センチメートル」は効きました。
僕はアニメを観て育ちましたからアニメの世界は夢や希望で溢れているものだとそれまで思っていました。そして中学生になって現実はそうでもねぇなって気付き始めて……。そこに新海さんの実らぬ恋の物語ですよ! こんなアニメがあるのかよ!! って感動しました。

ヒロインがイケメンの主人公を差し置いて別の男と結婚しますからね!!

フゥーー!!! イャッハーー!!

……まぁ、私はこんな中学生だったんです。

そうです感動したんですよ!「秒速5センチメートル」に!

青春送ったモテイケメンだって大人になれば大したことない。いつまでも縁のない一人の女の子に固執していたら空っぽの大人になってしまう。高校生くらいまでは虚ろな表情のイケメンに魅力を感じる女の子も少なくないかもしれないけど、大人の女性はその虚ろな雰囲気もただ中身がないだけだと見抜く。振り返っても無駄だぞ。前見て歩け。

って言っているようで、なるほどーと思いました。

「イケメンぶっ潰す!!」

みたいな新海さんの嫉妬とか後悔みたいなパッションもビンビン感じました。

結局ラストシーンで主人公は上辺だけのイケメンから本物のイケメンになる(なろうとする)んですが、そういうところも共感できます。なんだかんだ言ってもイケメンはカッコいいし普通に好きです。やっぱり主人公はイケメンであってほしい。

ちなみにラストシーンとかは僕が一番好きな邦画「桐島、部活やめるってよ」と重なるんで、どっちかが好きでどっちかが嫌いってことはあんまりないと思います。片方が好きでもう片方は観たことがないという人は是非。


まぁ、そういうわけで、新海作品の陰湿な清々しさが僕はとても好きだったんです。

それが何ですか!?
この「君の名は。」のキラキラカラッとした眩しい青春は!?
いや、おもしろいよ!? さすがに名の売れた監督だけあってそつなくおもしろいよ!

でも!

何も刺さらねぇ!! 何も残らねぇ!

いやホント、僕が用意したハードルが高すぎただけで「たまごラブストーリー」とか「心が叫びたがってるんだ」と同等かそれ以上のおもしろさはあるんです!

それでも、新海誠のポテンシャルはこんなもんじゃねぇだろ! って思ってしまうんです。

作品の完成度や質でいえば、お金をかけた分か圧倒的に過去最高です。音無し映像を見るためだけに1500円払ってもいいくらいです。声優さんの配役も芝居も素晴らしかったです。

でも、やっぱり今の自分に何も残ってないです。

この文章逆説ばっかりですが、それくらいおもしろかったって気持ちと残念って気持ちが僕の中でせめぎ合っております。

ぼかぁね、映画館を出たら現実の世界が変わってしまっているような、そういうおもしろさを映画に求めてるわけですよ。
世界が変わるってのはつまり自分自身が変わるってことなんですけど、2時間のなかで自分の中の何かを変えてほしいんです。勇気をもらうでもやる気が出るでもトイレが怖くなるでも、その辺はまぁ何でもいいんですけどね。
例えば先の「秒速5センチメートル」なら「前見て歩かなきゃな!」って意識が生まれたわけです。

「君の名は。」はそれがほとんどないです。入り口と出口が同じ! とことん娯楽!
それも悪いことではないんですけど、娯楽の楽しさじゃディズニーランドには敵わないよ? いやシーか?(どっちでもいい)

本を読みたくない小中学生はこれを観て読書感想文を書こうとか企むんでしょうけど(小説版出てます)難しいぞ〜!
どんなこと書くんでしょうか。「一途さが大切」とか?
あ、もう夏休み終わりですね。

この「君の名は。」の何も残らない感の一番の原因はおそらくラストシーンです。

会っちゃったよ……

あそこで会っていなければ「ヒロインを探さなきゃ」の思いを持って映画館を出られたでしょう。というか新海作品ではお馴染みのパターンです。離れて(会わずに)終わるのが心地良い余韻になるんですが……会っちゃったよ……。

百歩譲ってそれでいいにしても、主人公の瀧がそんなに頑張ってないから「おめでとう(拍手)」ができない。つまりカタルシスがない。
瀧がいろんなものを失ってボロボロになって手に入れた恋愛なら普通に「よかったね」って感動できるけど、そんなに頑張ってないですよね。いわゆる棚から牡丹餅空から美少女ですよ。

え? 「瀧くん飛騨の山、登ったじゃん」って?

あのねー! 好きな女の子に会うためなら山の一つや二つ誰でも登るわ!!

それよりもあの坊主の男の子ですよ!!
好きな女の子に頼まれたってだけで変電所を爆発させましたからね!!! すげぇよ!! もし彗星落ちなければ高校退学だよ!! 下手すりゃ施設行きだよ!! 人生懸けてんじゃん!! もう坊主主人公じゃん!! 瀧くん想いの強さで坊主に負けてたんじゃない??

実際、あの一連のシーンは爽快で相当エンターテイメント性あったと思います。そういう、失うものがあってそれでもヒロインを選ぶよっていう気概を主人公には見せてほしいのです。ジレンマを乗り越える様を見たいのです。特に大衆向けに作るならもっとやれたんじゃないかなーって思ってしまいます。少年漫画展開、欲しいです。

まぁ、最後のシーン、スーツ着て電車に乗ったってことは多分企業説明会か採用面接にでも行くところだったんでしょう。その予定を蹴って会いに行ったんだからそれは素敵ですね。

坊主には敵わないけど。
幸せそうでよかったよ、坊主。


こんな具合にああだこうだ言ってもやっぱりおもしろいんで2回目観ようかなーとは思っています。
あの結末も監督本人がやりたがってやったのなら誰にも文句は言えませんから。正直、僕はもっと後でやると踏んでいたんですが今作でしたね。しかも、随所に過去作を思い起こさせるポイントがあって集大成感がかなりあるんです。

新海誠監督作品第一部完結という感じでしょうか。
この考え方は結構ハマっていると僕は思います。

新海さんといえば恋愛ものですが、恋愛の舞台設定というのは結構苦労するものです。
厄介なのが携帯電話です。それがあればデートに誘うのも想いを伝えるのも簡単にできてしまいますからね。
携帯が普及する前なら、デートの待ち合わせをするだけで物語が生まれそうです。相手が5分遅れただけでいろんなことがめちゃくちゃ心配になりますね。「寝坊した30分遅れる」なんて伝えようがないです。現代っ子には刺激が多そうで憧れの時代です。
そういうロマンは現代の時代設定では描けないので、作家側としては何とか想いを伝えることの障害を生み出したいのです。二人の間で電波が繋がらないようにしたいのです。
その方法は主に6つです。

・携帯が普及していない世界設定
・携帯が普及していない時代設定
・現世界と異世界
・地球と宇宙
・現在と過去または未来
・携帯を持たない年齢の子どもたち

新海さんは小学生ぐらいの年齢は描かないと思うので6つ目は抜くとして他の5つは今作で網羅したことになるんです。
きれいに分けられるわけではありませんが、暇な人はそれぞれどの作品にあたるか考えてみるとおもしろいと思います。
ちなみに「言の葉の庭」は普通に「メールでやり取りしたら?」って突っ込めなくもないです。誤魔化すのも演出の力かな。

いつか絶対やると思っていたネタも今作でやってしまったので、新海さんの作品群も一区切りつくのではないかなーと思っています。

次回作は想像もつかないようなおもしろい作品を期待しております!

(CMではよくやる家族ものを長編で観てみたいなぁ)


(やっぱり恋愛ものでもいいなぁ)


もつ
2016/08/28(日) 06:04 もつ煮込み PERMALINK COM(2)
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COMMENT

俺も会っちゃったって思った
でも確かに等価交換なりたってないなー、一応過去改変もしてるのにね
応援(※ネタバレ注意) 2016/08/29(月) 13:33 EDIT DEL
三葉側になれば感動できるけどね。彼女は頑張ってたし。
切ないのがいいなら時かけとかシュタインズ・ゲート見ろってことだな

これが初めての新海作品なら普通に感動してたと思う笑
もつ 2016/08/29(月) 15:39 EDIT DEL

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