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仮面ライダーについて語る
初めまして。ヒガシバタケ(ウツボ)です。
今回は仮面ライダーについて独断と偏見にまみれた記事を書きたいと思います。
まず、みなさんは「仮面ライダー」と聞いて何を思い浮かべますか?正義のヒーロー?バッタ?変身ベルト?ライダーキック?そもそも仮面ライダーなんて名前しか知らねえよ!という人もいるかもしれません。
知らない人のために説明すると、仮面ライダーのはじまりは1971年に放送がはじまった藤岡弘、さん主演の特撮番組です。この物語には、世界征服を企む悪の秘密結社
「ショッカー」
が登場します。ショッカーは世界征服のため、拉致してきた優秀な人間に改造手術・洗脳手術を施し、人間に動植物の力を混ぜ合わせた異形の改造人間を造り出します。それが「ショッカー怪人」です。
主人公・本郷猛(演:藤岡弘、)もまた同様に改造手術を受けますが、洗脳される直前に何とか脱出します。かろうじて人間としての心を失うことはなかったものの、その体はもはや人間とは違う異形のものとなってしまいました。それでもショッカーの魔の手から人間の自由を守るため、改造による醜い姿をマスクの下に隠し、本郷猛は
「仮面ライダー」
となって、改造人間の力をもって同じ改造人間たちと闘い続けることになったのです。(この時の手術で組み込まれたのが脚力に優れたバッタの能力だったため、必殺技としてライダーキックが使われるようになりました)
以上が初代ライダーのあらましですが、ここで描かれたいくつかの要素は後の仮面ライダーシリーズにも受け継がれていくものとなります。(ちなみに現在ライダーシリーズは全
33
作、登場したライダーは約
180
人にもなります。想像以上に多い!)
その一つが
「仮面ライダーとは改造人間であること」
です。仮面ライダーは放送時期によって大きく「昭和ライダー」と「平成ライダー」に分けられますが、この「改造人間」という要素は主に昭和ライダーに見られます。ではなぜ平成ライダーでは改造人間の要素が少なくなったのかというと、技術の発展により昭和の時代にはほぼフィクションだった人工義肢・人工臓器などが現実のものとなっていることが関係していると言われています。
そうした理由から平成ライダーは改造手術ではなく、超自然の力やパワードスーツなどによって「仮面ライダー」としての力を手にしています。ただし、形こそ変われども、「敵から与えられた力」もしくは「敵と同じ力」で闘う(=親殺し、仲間殺し)、という点に関しては基本的に共通しています。
例えば、平成ライダー1作目「仮面ライダークウガ」では、超古代遺跡から復活した戦闘民族グロンギから人々を守るため、主人公・五代雄介(演:オダギリジョー)は戦士クウガとなって戦いますが、グロンギもクウガも太古の隕石に含まれていた霊石/魔石の力によって超人的な力を得ています。
また、平成ライダーには
「ダークライダー」
と呼ばれる悪の仮面ライダーが登場することもあります(ダークライダーは主人公の2Pカラーのような姿をしていることが多いです)。同じ力・同じ姿を持ちながら人に仇なす者と人を守るもの、そこには
「力は使う者次第であること」「大切なのは人の心を持ち続けること」
というテーマがあるように感じます。
そして、もう一つの仮面ライダーの要素として
「自由と平和のために闘う」
というものがあります。特撮ヒーローというと、正義の味方だと考える人も多いと思いますが、初代ライダーのナレーションからして
「仮面ライダーは人間の自由のためにショッカーと闘う」
と言っています。ではなぜ仮面ライダーは正義のためではなく自由と平和のために闘うのでしょうか?
それは正義というものが絶対的なものではないからです。かのナチスですら正義を謳っていました(ちなみにショッカーはナチスの残党という設定です)。正義という言葉は人の目を曇らせます。どんなに人の道から外れた行いをしても、正義という言葉が免罪符になってしまいます。(平成ライダー12作目「仮面ライダーOOO(オーズ)」でも
「正義のためなら人間はどこまでも残酷になれる」
という台詞があります)。
どれだけ崇高なお題目を掲げていても、「悪」とは人間の自由を脅かすもの、平和を打ち崩すもののことであるというのが、仮面ライダーシリーズの考えです。ライダーは、異形の肉体に成り果てても、どれだけ巨大な力を手に入れても、心だけは人のままであらなければならない。ヒーローではなく、「人」として、自由と平和のために闘うこと、それは画面の向こう側だけの話ではなく、視聴者にも同じことを訴えかけているのではないでしょうか。
前にも書きましたが、現在仮面ライダーは約180人以上います。改造人間ではないもの、変身ベルトを使わないもの、バイクに乗らないもの、多種多様なライダーがいて、その全てに共通する定義を見つけることは非常に難しいです(身も蓋もないことを言えば、公式が仮面ライダーといえばそれが全てなのですが)。
個人的には、「仮面ライダー」とは名であると同時に、生き方であると思います。人知を超えた力を手にして、その力を如何に使うのか、その在り方そのものが「仮面ライダー」なのだということです。とはいえこれは私個人の考えです。みなさんにもライダーシリーズを見て、それぞれの考えを持ってほしいと願っています。
まだまだ書きたいことがたくさんありますが、このあたりで一旦終わりにしたいとおもいます。
ヒガシバタケ(ウツボ)
2016/09/25(日)
12:23
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